ニキビにいろいろな種類があるのを知っていますか？ニキビの種類と症状を知る事でニキビに負けない生活を送りましょう。

ニキビは、毛穴部分が赤く膨れ上がる炎症性の皮膚疾患で、黍の実に似ているということが名前の由来となっています。

また、皮脂と常在細菌との相互作用による症状で、思春期に出来るものと大人になってから出来るものなど複数の種類があります。

思春期に出来るニキビは、この時期に分泌量が急増する成長ホルモンのテストステロンが関係しています。これにより、皮脂腺の活動も促進されるので、皮脂の分泌量も増加するからです。

これを餌とすることにより毛穴周辺に生息しているアクネ菌が増殖し、脂肪分解酵素のlipaseを分泌して皮脂を遊離脂肪酸にしてコメドになります。

この思春期に出来るものは、青春のシンボルとも表現される様に、遅くても20歳代の前半には減少することになります。

これは、テストステロンの分泌量が安定するからで、これに伴いアクネ菌が過剰に増殖するほどの皮脂が出なくなるからです。

しかし、これ以降全く出来なくなるというわけではありません。

ホルモンは心身の状態を安定させるために分泌されている物質ですが、ストレスや栄養不良、過剰な喫煙などにより、バランスが崩れてしまうことがあります。

ホルモンバランスが崩れると皮脂の分泌量が増加するので、再び思春期の様な状態となります。

これは、大人ニキビと呼ばれているものです。

なお、女性の場合は卵胞ホルモンのエストロゲンの分泌量の低下に伴う40歳代の半ば過ぎにも出来やすくなります。

これは、更年期ニキビと呼ばれているもので、ホルモンバランスの崩れにより皮脂の分泌量が増加するからです。

この時期に出来たものは、肌のターンオーバーも低下しているので、跡が残りやすいということも特徴となっています。

このように、世代により発生する原因には違いがあるので、対策も当然違ってきます。

まず、思春期に出来るものは、1日に1〜2回低刺激性の石鹸で洗うなど毛穴周辺を清潔にするということが唯一の対策となります。

皮脂は、成長ホルモンの分泌量が急増していることに伴うもので、これを阻害するということは出来ないからです。

また、この時期は肌のターンオーバーも活発であり、かなりの量が出来たとしても跡が残ることはほとんどありません。

大人になってから出来たものは、ホルモンバランスの崩れが原因となっているので、日常生活の見直しに取り組むことが改善するための対策となります。

特に、チョコレートなどの甘いものを食べ過ぎると発生するリスクが2倍以上高くなるというデータも公表されており、栄養バランスのとれた食生活を心がけなくてはなりません。

皮膚の新陳代謝を促進するビタミンB2や皮膚の抵抗力を高めるビタミンB6、色素沈着を防ぎ皮膚のターンオーバーを活性化するビタミンCを含む食品の摂取が効果的です。

一方、更年期に出来るものはエストロゲンの分泌量の低下が原因であり、身体の内側の問題にアプローチしなくてはなりません。

エストロゲンと分子構造が類似しているイソフラボンを豊富に含む大豆食品やホルモンバランスを整える作用があるプラセンタを摂取することにより、身体の内側の状態を整える方法が効果的です。

また、気の流れを改善することを目的とした鍼灸などの東洋医学も有効です。

ニキビは皮膚の炎症性疾患ということで、皮膚科の専門領域となります。

このために症状が酷い場合は、自己流で対処するよりも医療機関に任せるという方法が適当です。

外用の局所抗菌剤や殺菌作用を持つ抗炎症剤、抗生物質による内服療法、ホルモンバランスを整えるホルモン療法など状況に合わせて適切な治療が選択されます。

これらの治療は一部を除いて基本的に保険診療であり、健康保険が適用されます。

一方、見た目を綺麗にするということを重視した治療を希望している場合は、美容皮膚科などの美容クリニックで行われているレーザー治療などが適当です。

特に、ニキビ跡を改善したいという時には通常の治療では十分な効果を得られない可能性が高いからです。

美容クリニックで実施されている治療は、ほとんどが自由診療です。これは、クリニック側が治療の内容や費用を自由に設定できるという意味で、健康保険は適用されません。
つまり、治療費は全て実費であり、しかもクリニックにより違いがあるということです。

このために、事前の情報収集が必要であり、納得のいく治療を受けるためには工夫が必要となります。

このように種類や症状により異なった対策が必要であり、間違った方法を選択をすると状態が悪化してしまう可能性があります。

また、皮脂と毛根周辺の常在細菌が原因ということで、顔以外の部分にも当然発生します。

お尻や背中などの眼で見て確認することが出来ない部分に出来たものの場合は、気がつかないうちに悪化している可能性もあります。

このために、健康診断などの定期検診を医療機関で受けておくということが、万全を喫するためには必要となります。